最澄が様々な修行をして学んでいた理由とは?幼少期、得度後の修行、順暁から灌頂を受けるまでの様子【前編】

最澄が様々な修行をして学んでいた理由とは?幼少期、得度後の修行、順暁から灌頂を受けるまでの様子【前編】
今回は天台宗の開祖である最澄についてのお話です。いつものように前編と後編に分けてお送りしたいと思います。無宗教の方や別な宗派の方も、これをきっかけに最澄さんがどんな人物だったのかを知っていただけたら嬉しいです!
記事に出てくる人物や用語はこちら

今回の参加者

メラムサフラ:お待ちしていました。
幻朋:こんばんは!先日はすみませんでした。
メラムサフラ:オルアエルと他の星に行っていてすみませんでした。
(その時の様子は拠点記録でご報告いたします。)
幻朋:そんな事ないです!
メラムサフラ:モニタールームに行きましょう。
(モニタールームに空間移動しました。)
ケスリロ:ケスリロのリイ(神)だぞ。
幻朋:お邪魔します(笑)今日はケスリロさんも最澄さんのお話に参加しますか?
ケスリロ:ここで聞きながら参加するぞ。
幻朋:空海さんの時も参加してくださいましたよね。またお願いします!
ケスリロ:オルアエル今日は遅いな。
メラムサフラ:さっき呼びました。今日は少し遠くまで行っています。
オルアエル:来たよ。
幻朋:オルアエルさん、戻って来てくださってありがとうございます!それでは、最澄さんのお話を始めたいと思います。
メラムサフラ:今見ますね。
幻朋:どんな方だったのか、お話ししながら皆さんと一緒に知っていきたいと思います。メラムさん、今日もよろしくお願いします!

最澄の人物像について

生没年と出生地

幻朋:最澄は中国で仏教を学び、日本で比叡山延暦寺(ひえいざんえんりゃくじ)を建て、天台宗の開祖となった人です。現在は伝教大師と呼ばれています。生没年は新暦で767年9月15日〜822年6月26日です。
メラムサフラ:それで合っています。
幻朋:父は近江国滋賀郡(おうみのくに、滋賀県大津市坂本)を統治する豪族で、三津首百枝(みつのおびとももえ)と言います。古市郷(ふるいちごう)か現在の生源寺(しょうげんじ)の地で生まれたとされています。
メラムサフラ:滋賀県、生源寺って書いています。お寺は後から建てられました。
幻朋:現在の生源寺があるエリアに生まれたという事ですね?
メラムサフラ:最澄が生まれた時はありませんでした。
幻朋:父母の情報はありますか?
メラムサフラ:お父さんとお母さんの情報はなさそうです。
幻朋:分かりました。あと、最澄誕生のエピソードがあります。最澄の父である百枝は子供に恵まれなかったので、日吉大社の奥の神宮禅院に籠り子供を授かるように願掛けをして最澄を授かったという説があるそうです。
メラムサフラ:(しばらくして)……載っていませんでした。
幻朋:細かい所は載っていなさそうですね。

幼少期の様子と性格について【謎の規制】

幻朋:次に最澄の幼少期の様子を教えていただきたいです。
メラムサフラ:とても静かな子って書いています。あまり話さない子だったと書いてあります。
幻朋:物静かな子だったんですね。何をして過ごしていたかなどはありますか?
メラムサフラ:詳しく載っていません。
ケスリロ:何でこの人はそんなに情報がないんだ。
幻朋:なぜでしょうね?では、最澄が大人になってから人生を通してどんな性格だったかは分かりますでしょうか?
メラムサフラ:今探しています。(数分後)書いてなさそうです。
幻朋:規制でしょうか?実際に伝わっている印象とあまりにも違いすぎるからとか?
ケスリロ:隠されているのかもしれないな。
幻朋:いつもなら、明るい性格とか、真面目とか何かしらありますよね。不思議ですね。
メラムサフラ:載っていない気はしないので隠されているのかもしれません。
幻朋:そうですね。無理せず分かる範囲で進めていきましょう。

12歳で出家する

幻朋:778年、12歳の時に近江国分寺に入り、出家しました。近江国の大国師(だいこくし、上位の僧)の行表の弟子になりました。なぜ若くして出家したのでしょうか?
メラムサフラ:自分を成長させるためです。
幻朋:この時のエピソードは何かありますか?
メラムサフラ:やはりあまり載っていません。

得度して最澄という名に改名する

幻朋:780年、近江国分寺の僧闕(そうけつ、欠員の事)により14歳で得度(とくど、出家の儀式)して、広野(ひろの)から最澄という名前に改めました。そして783年には出家得度の証明書である度縁の交付を受けました。
オルアエル:何で名前が変わるの?
幻朋:確かに…どうしてでしょう?
メラムサフラ:僧侶になった時に名前を付ける決まりになっているそうです。
幻朋:さすがメラムさん!僧侶になったから最澄という名前になったんですね。
メラムサフラ:この僧侶になる事が、弟子じゃなくてこれから一人でやっていくという意味です。
幻朋:そうなんですね。勉強になります!

具足戒を受け、比叡山の山林修行に入る

幻朋:785年、東大寺で具足戒(僧が守らなければいけない戒律)を受け比丘(びく、具足戒を守る修行者)となりました。これは簡単に言うとどういう事でしょうか?
メラムサフラ:僧侶として本格的に活動していくという事です。修行しなければなりません。 
幻朋:確かにこの後に修行しています。同年7月に比叡山に登り山林修行に入りました。そして大蔵経(だいぞうきょう、仏典)を読破したそうです。山の中でどんな修行をしていますか?
メラムサフラ:瞑想です。精神を鍛えます。
幻朋:山を歩く修行はありますか?
メラムサフラ:それもやっています。あと本をずっと読んでいました。
幻朋:それが大蔵経ですね?読破したという事はたくさん本がありそうですね!
メラムサフラ:巻いてあります。
幻朋:巻物なんですね!

一乗止観院を創建する

幻朋:788年、最澄が一刀三礼して刻んだ薬師如来を本尊とする草庵(そうあん、日本の上古から中世期の建築様式)の一乗止観院を創建しました。これは後に延暦寺根本中堂(総本堂)となりました。
メラムサフラ:木のようなものを削っています。
幻朋:仏像を自分で作ったようですね。大きいですか?
メラムサフラ:小さいです。持てるくらいのサイズです。
幻朋:大きな像ではないんですね。この最初の建物から始まって、現在の根本中堂になったようですね!
メラムサフラ:最澄の活躍から、今こういう状態の建物になっています。
幻朋:でも、確か信長とかが焼き討ちをした事があったんですよね。何回か建て替えられたと書いてあったような…?
メラムサフラ:お寺を燃やした事があった気がします。信長の話を思い出しました。
幻朋:よく覚えていますね!すごいです。
オルアエル:忘れたよ。
幻朋:記憶が薄れてしまいますよね(笑)最澄は人々のために薬師如来像を作ってお寺を建てたんですか?
メラムサフラ:自分で拝むための像を作りました。自分のために作られました。
幻朋:なるほど!自分の修行をするために作ったものがお寺の始まりなんですね。

不滅の法灯

幻朋:最澄が一人で修行を続けていた際に…って確かに一人で修行をしていますね!すみません、お話に戻ります(笑)最澄が修行をしていた際に、全ての世の中を照らし、人々が救われるように、仏の教えが永遠に伝えられますようにと願って灯明を供えました。この時から現在に至るまで、根本中堂の内陣中央にある3つの大きな灯籠の中で「不滅の法灯」として燈を灯している。1200年間一度も消える事なく続いているそうです。
メラムサフラ:一度焼かれています。
幻朋:そうでした…残念です。でも新しく建て替えて、また灯しているんですよね?
メラムサフラ:ほとんどの期間点いています。
幻朋:すごい事ですよね!
オルアエル:燃えてたら消えていないんじゃない?
幻朋:お〜良い事を言いますね!(笑)
ケスリロ:消えたと思うぞ。
幻朋:いや、そんな事を言わずに(笑)焼き討ちは思いがけない出来事です。1200年も絶える事なくずっと灯し続けているというのは素晴らしいと思います!

内供奉十禅師になる

幻朋:797年、桓武天皇の内供奉十禅師(ないぐぶじゅうぜんじ)となりました。内供奉十禅師とは日本の僧官の1つで、宮中で天皇の安穏を祈ったり、天皇の看病などをする役職だそうです。
メラムサフラ:天皇を守る目的でお経を唱えたりしています。
幻朋:この役職は自分からなれるものですか?
メラムサフラ:自分からはなれません。
幻朋:選ばれたんですね!最澄はやはり仏教界では有名だったのでしょうか?
メラムサフラ:名前が知られていないとなれません。
幻朋:空海もこの頃有名でしたか?
メラムサフラ:最澄の方が先に天皇に知られていました。

高僧を招いて法華十講を奉修する

幻朋:801年、比叡山一乗止観院で法華十講(ほっけじっこう)を奉修しました。この時に南都六宗(奈良・平安に栄えた仏教の6つの宗派の総称)の高僧10人に講師を依頼しました。この時は最澄の他にも何人かいて一緒に教わったのでしょうか?
メラムサフラ:最澄だけです。色々教えてもらっています。
幻朋:まだこの頃も一人だけですか!高僧の方からじっくり学んだんですね。

高雄山寺で法華会を行う

幻朋:802年、高雄山寺(現在の神護寺)で法華会(ほっけえ)を行いました。812年には空海も一時住んでいた事もあり、日本仏教史上重要なお寺だそうです。
メラムサフラ:今度は自分が講師になっています。
幻朋:このお寺にお坊さんを集めて講師をしたんですね?
メラムサフラ:そうです。
幻朋:なぜそこのお寺で行ったのでしょう?
メラムサフラ:なぜそのお寺なのかは載っていませんでした。
ケスリロ:そこが気になるよな。
オルアエル:気にならないよ。
幻朋:気になりますよね!

入唐求法の短期留学生に選ばれる

幻朋:桓武天皇から入唐求法(にっとうぐほう)の還学生(げんがくしょう、短期留学生)に選ばれました。これは空海も同じく唐に行った時のお話ですよね?
メラムサフラ:そうですね。自分で希望しています。
幻朋:天台宗の本場の教えを学びたかったという事でしょうか?
メラムサフラ:密教を学びたかったようです。
幻朋:密教ですか!色々なジャンルを学んでいたんですね。
メラムサフラ:やるからには全てを学びたいと思っていたそうです。
オルアエル:忙しいね。
メラムサフラ:大変だったと思います。

空海と最澄の船が無事だったのは神の加護?

幻朋:804年7月、通訳に門弟の義真を連れて、空海達と九州を出発しました。4隻で構成された遣唐使船のうち、空海が乗っていた第1船と最澄が乗っていた第2船だけが無事に唐にたどり着きました。空海のお話にもありましたが、これはやはり神や仏の御加護だったのでしょうか?
メラムサフラ:守られたと思います。詳しくは書いていませんが。 
幻朋:そうですよね。偶然だったにしてもすごい確率ですね!

道邃の元で学ぶ

幻朋:9月上旬に明州に到着し、その後9月下旬には台州に到着しました。天台宗の第6祖である湛然(たんねん)の弟子の道邃(どうずい)から天台法門の書写を受け学びました。道邃は一説では天台宗の第7祖ではないかとされているそうです。
メラムサフラ:天台宗を学び持ち帰っています。
幻朋:最澄が天台宗の道邃の所へ行った理由はありますか?
メラムサフラ:最澄は天台宗を選んで、空海は真言宗を選んだんです。それが良いと思ったんだと思います。
幻朋:それぞれ良いと思って選んだんですね。道邃は天台宗の第7祖ではないかと言われていますが、やはり偉いお方だったのでしょうか?
メラムサフラ:湛然の後継者とあります。

中国三大霊山の天台山へ登る

幻朋:10月には中国三大霊山の1つである天台山に登り、国清寺に入りました。湛然の弟子の行満(ぎょうまん)から付法82巻を受け、翛然(しゃくねん)からは達磨禅を受法しました。この禅は菩提達磨(ぼだいだるま)というインド人仏教僧の禅らしいです。
メラムサフラ:巻物に書いてあることを教えてもらっています。達磨禅については詳しく載っていないです。
幻朋:巻物から学んだり、禅も教えてもらったりしたんですね。

道邃の付法相承と円頓大戒を受ける

幻朋:805年2月、台州龍興寺で道邃の付法相承(ふほうそうじょう)を受け、3月には円頓大戒(えんどん、大乗菩薩戒)を受けました。これらはどういう事でしょうか?
メラムサフラ:これも修行、学びの1つです。
オルアエル:分かんないよ。
幻朋:難しい言葉ばかりですよね!

順暁から灌頂を受ける

幻朋:4月、越州龍興寺の順暁阿闍梨(じゅんぎょうあじゃり)より三部三昧耶(さんぶさんまや)の灌頂(かんじょう)を受け、真言密教の「付法文」を受けました。灌頂ってここでもまた出てきましたね!空海さんの時もありましたよね。
メラムサフラ:認められたという事です。後継者になるという事です。
幻朋:天台宗を伝えられるようになったという感じでしょうか。
メラムサフラ:天台宗です。密教も学び極めました。
幻朋:密教を極めたんですか?天台宗と密教は別ですか?この辺はちょっと勉強不足で混乱しています。
メラムサフラ:天台宗に関わる事も学んでいます。密教と関連しています。 
幻朋:色々学んだんですね。
メラムサフラ:真言密教がその時いちばんの密教でした。恵果という人の所が中心となっていて、そこの後継者が空海だったから最澄は空海から教わるしかなかったんです。
幻朋:そういう事だったんですね!密教には種類があるんですね。
メラムサフラ:そうみたいです。その中で一番大きかったのが真言密教です。
ケスリロ:だからか。
幻朋:空海に書物を借りようとしたけど断られて、交流が途絶えたという話がありましたよね。
ケスリロ:そんな事もあったな。
オルアエル:全部忘れたよ。
幻朋:今回はここまでにしたいと思います。次回に空海さんとのお話が出てきます!よろしければケスリロさんもその時は一緒にお話を聞きませんか?!
ケスリロ:続きも気になるので次も参加するぞ。
幻朋:ぜひお願いします!最澄さんの情報は少ないと言っていましたが、結構ありましたね。これもメラムさんが頑張って調べてくれたからですね。ありがとうございました!
オルアエル:メラムさんカテだよ。
ケスリロ:メラムさんにしかできないぞ。
メラムサフラ:ありがとうございます。少しで多くの情報を伝えたいです。
幻朋:メラムのリイ、カテです!!
メラムサフラ:またお待ちしています。
幻朋:また来ますね!今日はありがとうございました。
ケスリロ:またここで待ってるぞ。
オルアエル:またね。

最澄のお話前編は以上となります。やはりメラムさん、オルアエルさん、ケスリロさんのメンバーで話すのは楽しいなと実感しました(笑)
最澄さんも、ものすごい努力を積み重ねてきた方なんですね。とことん極めていく姿勢が素晴らしいなと思いました!今は当たり前のように生活していますが、昔の人々の努力から成り立っているものがたくさん現代に伝えられているんだなと、あらためて思いました。